「ブラックバス」と聞くと、外来魚問題や特定外来生物としてのイメージが強いかもしれません。しかし、実はこのブラックバス、適切に処理・調理すれば、意外なほど美味しく食べられる白身魚であることをご存知でしょうか?
この記事では、「ブラックバスを食べる」という視点から、その食用としての価値、美味しい食べ方、そして外来魚問題への貢献について深掘りします。環境問題への関心が高い方、新たな食体験を求めるアングラーの方は必見です!
なぜ今、ブラックバスの食用活用が注目されるのか?
日本の淡水生態系において、在来種を脅かす存在として駆除の対象となっているブラックバス。しかし、捕獲されたブラックバスの多くは廃棄されており、その処理にはコストがかかります。そこで提唱されているのが、「捕って食べる」という積極的な活用方法です。
これは単なる食材の有効活用に留まらず、私たち自身が駆除活動に貢献し、持続可能な生態系への意識を高めることにも繋がります。
ブラックバスって本当に食べられるの?気になる安全性と味
「ブラックバスは食べられるの?」という疑問は当然です。結論から言えば、はい、食べられます。
日本の河川や湖沼で釣れる魚の多くは、適切な処理をすれば食用として安全です。ただし、水質の悪い場所で釣れたバスは避けるのが賢明です。清潔な環境で育ったブラックバスを選ぶことが、美味しく安全に食べるための第一歩です。
そして、最も気になるのがその「味」でしょう。ブラックバスの身は、まるでタイやスズキのようなクセの少ない淡白な白身で、非常に上品な味わいです。泥臭さが気になるという声も聞かれますが、これは適切な下処理で劇的に改善できます。
しかし、生で食べることは危険です!寄生虫が存在します。詳しくはこちら
泥臭さ激減!ブラックバスを美味しく食べるための下処理術
ブラックバスを美味しく食べるには、下処理が何よりも重要です。この一手間が、泥臭さを取り除き、本来の旨味を引き出す鍵となります。
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活け締め・血抜きを徹底! 釣れたらすぐにエラを切るなどして血抜きを行い、氷水で冷やして鮮度を保ちましょう。これが臭み対策の基本です。
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内臓を丁寧に取り除く 内臓(特に腸)に泥臭さの原因となる物質が蓄積されやすいので、丁寧に全て取り除きます。腹膜の黒い部分もこそげ落としましょう。
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皮を剥ぐ 皮にも特有の臭みやぬめりがあるため、基本的には皮を剥いで調理することをおすすめします。特に大型のバスでは、この作業が重要です。
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三枚おろしにして、さらに臭み抜き 三枚におろした後、流水で丁寧に洗い、キッチンペーパーで水気をしっかりと拭き取ります。さらに、料理酒や塩水に数分浸すことで、残った臭みを抜く効果が期待できます。
おすすめ!ブラックバス料理レシピ
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下処理を終えたブラックバスは、様々な料理に活用できます。白身魚として扱い、いつものレパートリーに加えてみましょう。
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フライ・唐揚げ 最も手軽で美味しい食べ方の一つ。淡白な白身とサクサクの衣の相性は抜群です。子供にも人気の一品になります。
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ムニエル バターと小麦粉で焼くことで、ふっくらとした身の旨味が引き立ちます。レモンバターソースなどでシンプルに味わうのがおすすめです。
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天ぷら 白身魚の天ぷらは、揚げたてのふわふわ感がたまりません。塩や天つゆでどうぞ。
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煮付け 臭みがないことを確認できれば、和風の煮付けも美味しいです。ショウガやネギをたっぷり入れて、風味豊かに仕上げましょう。
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アクアパッツァ 洋風に煮込むアクアパッツァもおすすめです。アサリやトマト、ハーブと一緒に煮込むことで、魚の旨味がスープに溶け出し、絶品です。
ブラックバスを食べることで得られるメリット
ブラックバスを食用として活用することは、個人の食体験に留まらない大きなメリットがあります。
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特定外来生物駆除への貢献 釣り人が釣ったバスを持ち帰り、美味しく消費することで、生態系を守るための駆除活動に間接的に参加できます。
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新たな食資源の創出 これまで有効活用されていなかった資源に目を向け、食の多様性を広げるきっかけになります。
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食育と環境教育 「命をいただく」という行為を通じて、食への感謝や、身近な水辺の環境問題について考える良い機会となります。
注意点とマナー
ブラックバスの食用活用は推奨されますが、以下の点に注意し、マナーを守って楽しみましょう。
- 釣る場所の水質を確認 生活排水が流れ込むような場所ではなく、できるだけ水質の良い場所で釣れたバスを選びましょう。
- 漁業権や遊漁規則の遵守 釣りを行う際は、地域の漁業協同組合などが定める遊漁規則や漁業権の有無を必ず確認してください。
- 持ち運びの配慮 釣った魚を持ち帰る際は、周囲に配慮し、適切な方法で持ち運びましょう。
- 調理は自己責任で あくまで個人の責任において調理・喫食してください。
まとめ:ブラックバスは「美味しく食べて、環境貢献」できる魚!
ブラックバスは、適切な下処理と調理によって、食卓を豊かに彩る美味しい白身魚へと生まれ変わります。そして何より、「食べる」という行為を通じて、日本の生態系を守るための外来魚問題に私たち一人ひとりが貢献できる、貴重な機会を与えてくれます。
ぜひ一度、ブラックバスを釣って、そして「食べて」みませんか? きっと、新たな発見と、食に対する感謝の気持ちが芽生えるはずです。